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座談会 チャレンジで広がるラジオCMの世界

ラジオに風とハラハラを。

中嶌ほかにも、澤本さんが考えているラジオCMの企画などありますか。

澤本業界は動かなくなってくと筋肉と一緒で衰退するので、何か動いてなきゃいけないんですよ。風を吹かせるじゃないですけど、決まっていない流れを作っていくと、その業界は常に新しくいられる。今回、お笑いの方ができるとわかりました。で、その話を色んな人にしてみたら、たとえば小説などの作家さんって意外と時間があるんですって。そういう人にラジオCMを頼むと、お笑いの方とは違ったアプローチになるんじゃないか。“書く”ということをできさえすれば、どの業界の人でもラジオCMに参入してこられるわけです。テレビと違っていいのは、制作単価が安いこと。テレビCM作ろうとすると何千万もかかっちゃうから、こうして芸人さんに「なんでもいいから作ってよ」とは言えないんですよ。失敗したら俺クビだなとか思っちゃうんで。その点有志の人が参入してきて表現競争をできる、コピーライターと同レベルでやっていける場所がラジオ。色んな人に入ってほしいし、芸人さんだけで「R-1(ラジオワン)」とかできるだろうし。その辺、遠山さんの方がお詳しいでしょうが、色んな事件起こしやすいじゃないですか。結果として楽しそうに見えて、広告を志す人が増えてくれたらいいなと思っていて、なので今後ともご協力お願いいたします。五明さんもラジオ番組始まりますしね。

遠山これ結構なことなんですけど、僕がずっとTOKYO FMで夜10時~12時「SCHOOL OF LOCK!」の生放送をしていて、五明が4月からBay FMで夜9時~10時半「ON8+1」の生放送を始めて。30分間同じトリオで裏かぶりするって、前代未聞なんですよ。しかも「裏番組をぶっつぶせ」というコーナーまでやられて。聴いてたら冒頭から俺の悪口なんですよ。しかも、五明さんのラジオめっちゃおもしろいってみんな言ってて。ちょっとハラハラしてるんですよね。

五明番組の冒頭に言ったのが、このラジオやるにあたって、二つ目標をつくると。まず木曜日の90分をリスナーの皆さんと楽しく過ごす。もうひとつは10時からのとある番組のリスナーを引きずり降ろすという。

遠山おかしいですよ。

五明リスナーと“どんな留守電を入れたら向こうがビビるか”みたいなメール募集して。

中嶌それもでも、ひとつの企画ですよね。

遠山ありがたいんですけどね、悪口言ってくれてるのが結局宣伝にもなっているので。

中嶌ラジオが盛り上がるっていうことはラジオCMにとって大切なことですよ。

遠山こういうのってハラハラするじゃないですか、聴いてる方も。何が起きてるんだ?と。澤本さんみたいなすごい方が僕らみたいなものをラジオCMに引っ張り上げてくれたことも、多分ほかのCM作られてるクリエイターさんたちからしたら、わりと「何してんの、これ?」という状況だと思うんですよ。ハラハラする状況を自分たちから起こすことができたらいいなと。

中嶌澤本さんもラジオ番組されてますよね。

澤本僕はいいですよ…。

遠山土曜日!夜1時からTOKYO FM!

中嶌それもメディアを盛り上げる一環ですよね。

澤本元々ラジオCMを紹介したくて始めたことなので。しかし、ラジオを一生懸命やってると友だちがものすごく増える。これは不思議です。だって知り合いの人にラジオ出てくれる?と聞いて断られることないですからね。みんな本質的にラジオ好きなのかなと思って。

中嶌距離感が近いからですかね。生野さんは広告主の立場として、こういうような企画をまたやりたいと思いますか。

生野やってほしいです。広告主はメディアを使ってるわけで、メディアが元気じゃなきゃいけない。ラジオはとくに、おもしろいけどメジャーの力が相対的に弱まっている感もあるんですね。だから色んなことやってもらいたいです。広告主としていいCMを作って表現したいのですが、つくるのはクリエイターです。だから、作ってくれる人の才能やチャレンジをできるだけ支えたい。泣けるテレビCMとして有名になった「家族の絆」シリーズだって、最初はラジオから始まったんです。うちでCM制作したのをきっかけに、若手のクリエイターが活躍の場を広げたところを目の当たりにしまして。で、若いクリエイターにチャンスをあたえることって、広告主のひとつの使命だなと。結果としていいクリエイティブが生み出されれば、広告主にとっても業界全体にとってもいい刺激になるわけですから。広告主にチャレンジングな姿勢がないと、結局は自分の首を絞めることになると思うんですよね。

中嶌今回の企画の立案者としては、大成功でしたか。

澤本こんなご褒美をもらえるとは思わなかったんで。ただ、何かしら賞をとりたいとは思ってたんですよ。僕的には、第一段階としては“グランジの作ったものが広告主に通る”こと。通ったから次は、“何かしら賞に引っかかる”といいなと。そしたらしょっぱなの賞が最優秀賞だったので、困ったな~と。

中嶌(笑)すごいですよね。最後に、何かありますか。

遠山クリエイターとしては…

中嶌なはははは!

五明よし、もらった。

遠山やっぱ回数言うべきだな。そうですね、僕も五明も、何かあったらなんでもやります。

澤本おふたりとも自分のラジオ番組持ってるんだから、中で何かやればいいんですよ。ラジオCM企画的に募集するでも、自分で作るでもいい。自分がクライアントになって、ゲストの方に作ってもらうというのもおもしろいと思う。



遠山それ、リスナーに募集かけてもいいってことですもんね。

澤本リスナーのいい作品をCMにしたら相当喜ぶと思います。五明さんもCM作りたければ、自分のラジオのCM作れば多分流してくれると思うんですよ。

五明ちょっと、様子見て言ってみます!



■口座談会終了後の雑談より……

中嶌ところで、トリオのもうひとり、大さんは企画書かないんですか?

遠山ネタを自分から書くタイプじゃないんで。15年くらい付き合いあるんですけど、大の書く文字を見たことがないんですよ。競艇が好きなんで数字は見たことあるんですけど。でも、たしかにそうですよね。演者として芸人いっぱい呼んでるのに、相方呼んでない(笑)

五明ははははは。

遠山大は昨年、椿鬼奴さんと結婚して…奴姐はそういえば、東京ガスさんのテレビのCM出てますよね。

生野そうですね。こないだあるラジオ番組でお会いした時、グランジさんとラジオCMやってるんですけど旦那さんいないんですって言ったら、「なんでうちのはいないの」って言ってましたよ。

中嶌そう思いますよね(笑)

text:矢島 史  photo:佐藤 翔