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座談会 チャレンジで広がるラジオCMの世界

収録、ちょっともめました。

中嶌では、いよいよ収録はいかがでしたか。

澤本楽しかったですよ。一番よかったのは、ふたりの知人が役者さんとして呼ばれたこと。普通はキャスティングはディレクターが決めるじゃないですか。でも原稿書かれてる本人が、「この役はシューレスジョー(芸人さん)がいい」とか、頭の中で原稿にベストな人を当てはめていて。声を知ってらっしゃるから、出来上がりが相当読めた状態で収録できたんじゃないかな。

中嶌企画段階で誰に読んでほしいとか考えてました?

遠山なんとなく、この役はダンビラムーチョ大原がいいなとか。仲もいいですし、『こういう風に』と言えばすぐにやってくれるとわかる。

澤本ナレーターさんが読むと、ナレーターさん色が出るじゃないですか。でもそれがなく、友だちがやってるので自然の流れで。逆に、吉本の人ってナレーターもできるんだなって発見。

中嶌ちなみにディレクションは?

澤本本数多かったんで、実際のラジオ制作会社のディレクターにお願いしました。でも基本的には遠山さんのは遠山さんがブースに入ってディレクションして。まとめる作業はディレクターが受け持ちましたけど。

中嶌制作費は基本的な感じ?

生野多分安い。この本数でこの金額は、本来できないんじゃないかと思われます。いいのが多かったから、減らす作業になってしまうんですよね。だったら予算内でできる分は作ってくださいと。

中嶌収録はスムーズにいきましたか。

五明ヤンキーの若いカップルが罵り合う設定の「サプライズ」篇というものがありまして。プレゼンの時もかなり汚い会話で、「もうちょい柔らかくできませんか」と言われたんです。関西弁ならまろやかになるかなと考えまして、関西弁の2名を呼んでやってもらったら、完璧だと思ったんですよね。ところが、ディレクターと生野さんがブースの中に入っていって、5分以上帰ってこないんです。これはもう、もめてる時間だなと。

遠山それまですんなりいってたのにね。

五明ブースから出てきたディレクターが「これ東京ガスなんで、関西弁は…」と。ああ~!どうしようか!となって。関西弁要員で呼んだのに、関西弁のやつに標準語でやってもらうという。

遠山しかも一番最後じゃなかった?3時間以上待ってる状態の中で、関西弁のやつが関西弁を否定されてるという。

五明でも悪いから標準語でやってもらって。

中嶌でもそれがうまくいって、賞までとって。

遠山あんとき五明はあきらめかけてたけど、俺が「標準語で」って言ったんだからね。感謝の言葉がないけど。

五明そうだっけ…?じゃあ、まあ…ありがと。

中嶌(笑)やめてくださいね、ケンカは。

遠山それにしてもディレクターの森田さん(ビッグフェイス)って本当にすごい。尺も、4秒足出てたりすると、瞬時に入ってきて『このセリフをカットして、こっちで一発入れておきましょう』とか。そうするとより効果的になってるんですよ。しかもやってみたら40秒ぴったりになってるし、すごい。

五明「サプライズ」篇も60秒なのに50秒くらいで終わって。どうしようとなったら、森田さんが「笑いがあったらええんちゃいます」と。

中嶌最後の笑いはなかなか憎い演出ですよね。

五明森田さんがいなかったら頭抱えてどうしようとなってました。

遠山僕のやつもどれか澤本さんに最後のとこ変えてもらって、うわ全然こっちの方がいいってなったのありました。立ち会っていた澤本さんの部下にアドバイスもらって。

中嶌その辺はプロの方が微調整したりSE選んでくれたりしてくれたんですね。

五明そうです。すごい助けられた。

中嶌生野さんは立ち会われていかがでした。

生野僕たちはネガティブチェックをするためにいるようなものだから、あまりいい存在じゃないんですけど、これはしょうがないんで。僕らも、やっぱり型で見てる。最初いただいた時も、「最後にブリッジほしいな」とか、「そこはコピーライターで」とか言ってるんだけど、でもよく見ると切れの良さとかブリッジがないほうがよかったり。今回の関西弁のはしょうがないんですけど、直したことでつまんなくなっちゃったのかなとか、ちょっと考えるんですよ。でもそれはしょうがない。プレゼンの時のメモ書きにも、きつい言葉だけど局を選べばOKか、とかいろいろ書いてる跡がある。企業側の視点で見てしまうので、皆さんの視点とどうしても逆向きになりがち。だから賞とかとると「おっ」と。しかも今回受賞した広告賞は、各企業の宣伝部長さんとかが選んだものなので、おもしろかったんだな、作ってよかった、と思いました。

澤本最初いただいたOKリストでは、「サプライズ」篇は○△とかの中で○ではなかったんですよ。余裕があったらという感じで。でも絶対よくなると思ったので、作りませんかとお願いをして。基本的に東京ガスの方は、そう言うと前向きに「じゃあ作りましょう」と言ってくれるんです。ずっと一緒にやってこさせていただいている信頼関係もあると思います。話をしたら信じてくれたという。

五明さん作品 「サプライズ」篇 60秒 

SE:料理してる音

男 :「おい!なんで飯作ってねぇんだよ!」

女 :「仕事終わりいつも外で食べてくんだろうが!」

男 :「昨日、外食控えろって言ったのそっちだろ!」

女 :「アンタの身体が心配だからだろ!」

男 :「……おぉ」

女 :「ほらできたからさっさと食べろよ!」

SE:テーブルにドン!と置く音

男 :「おい、ちょっと待てよ!これ枕!?オムライス、デカすぎだろ!」

女 :「そう言っていつも全部食べるだろが!」

男 :「美味しいんだから仕方ねぇだろ!」

女 :「……おぉ、ありがと。」

男 :「じゃあ、いただきま…」

女 :「ちょっと待て!ケチャップかけるの忘れてたわ!」

SE:ケチャップの音

男 :「何やってんだよ!?おい!何してんだよ!おい!
ケチャップで何書いてんだよ!!こっち腹減ってんだからよー。早く…」

女 :「読めよ!」

男 :「なんでだよ!」

女 :「いいから早く読めよ!」

男 :「んだよ…えーっ…パパになったよ…誰がパパなんだよ!」

女 :「あなた」

男 :「えぇ…?」

SE:スプーン落とす音

女 :「ふふ…。」

男 :「えぇ?へへ…」

女 :「うれしい??」

男 :「うん」(F.O.)

NA:どんな食卓にもドラマがある。
東京ガス