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市民と一緒に

 インターネットに接点のない店主の方々に声をかけるので、リストにお誘いしても警戒されてしまう点では苦労がありました。「そんなにお客に来られたって困る」と断られてしまうお店も。ただ、そんな風に警戒されていた方も、いざたくさんのお客さんに来ていただくと張り合いが増して、中には新しいお客さんたちからも刺激をもらってもう少し頑張ってみようと言っている店主もいます。

 ムービーに出ていただく時も恥ずかしがってしまって。当初は高崎の映画館だけで上映する予定だったので、「それなら誰も見ちゃいないよな」と出てくれたんですけど、結局群馬テレビやウェブで公開もしているのでかなり見ていただいてますよね。ご本人はあまりそのことを自覚していないかもしれません(笑)。この動画はケトルさんの主導で、高崎出身のクリエイターが集まって撮影協力してくれました。BGMは元BOOWYのベーシスト・松井常松さんが提供してくれたんですよ!
 また「絶メシリスト」のサイトの中には、市民がリストにお店を推薦する「タレコミ」ページがあります。タレこまれたお店は調査隊が取材に行って、条件に適えばリストに追加をする。市民と一緒に広げていく感覚です。リストは2018年9月頭現在で40店舗にまで増えました。この動きが全国に広がって地域活性につながれば嬉しいですし、実際に九州の柳川市で観光プロジェクトのひとつとして行われることが決まりました。ほかの自治体からの視察も数多く受けています。
 ME部門のグランプリをいただけたことは、このプロジェクトをさらに多くの方に知っていただいて広がる機会になるのでとてもありがたいことだと思っています。地元のメディアも喜んで掲載してくれますし、この盛り上がりは市民の誇りにもつながります。

後継者、インスタ“グンマー”
高崎を若者が担う!(希望)

 「絶メシ」のお店が本当になくなってしまわないためにも、後継者問題にはこれからも取り組んでいきたいと思っています。サイトの中で後継者やインターンの募集をしてはいますが、まだまだ受け身です。今、調理師専門学校でPRし、後継者やインターンを募るだけではなく、将来こういった個人飲食店を経営することも視野に入れてもらおうと取り組み始めています。

 また、PRのもうひとつの柱にすべく「インスタグンマー高崎」というサイトを開設しました。絶メシの個人飲食店と同じように、ものすごくフォトジェニックなわけではないが、見ているとじわじわ来る高崎の“じわジェニック”な写真をハッシュタグをつけて投稿してもらうというものです。市長による、高崎の昔ながらの味わい深い風景に共感を得られないだろうかという発想をもとにスタート。“今月の1枚”に選ばれた方には、「インスタ映え間違いなしの“映えだるま”」をプレゼントします。8月は、裏にパンケーキ写真がついた「パンケーキだるま」でした。
 インスタグラムといった行政にあまり馴染みの無いSNSを使ったプロモーションということもあり難しさは感じています。今後もさまざまな角度から、大きな盛り上がりにつながる仕掛けを探っていきたいと思います。

text:矢島 史  photo:佐藤 翔