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『4K放送開始に向けて』
~放送局の取り組み~

去る3月23日、ACC技術委員会では、BS4K放送の本放送開始に先立ち、具体的な視聴の問題や、4K番組、4KCMに関わる課題などについて、研究会を行いました。

今年12月1日より、いよいよBS4K本放送が開始されます。
これまでACC技術委員会では4K・8K映像のプレビュー(NHK技研)、放送開始ロードマップの解説(テレビ朝日)などの研究会を開催してきましたが、本放送の開始に伴い、家庭や職場での視聴方法、4Kコンテンツ(CM)の実制作など、具体的で身近な付き合いが始まることになります。
そこで今回の研究会は、これまでの予習内容をもとに、「実践篇」としての4K放送研究を行うことになりました。

今回の講師として、
(株)BS朝日 執行役員 技術局 局長  品本 幸雄 氏
(株)BS朝日 技術局  技術部 部長  廣瀬 雄一 氏
に解説をお願いし、BS朝日に会議室を提供いただいての研究会となりました。

以下、研究会の概要です。

1.4K放送の特徴

①2Kの4倍の画素数で、映像の隅々まで鮮明に見え、臨場感がある
②色域が広く多彩な色表現ができる
③動きが滑らか
と言う3点が、4Kの代表的な特徴である。
小さなモニターでは2K・4Kの画質差は感じにくい。
一般に、2K:32インチ以上、4K:50インチ以上、8K:100インチ以上で、それぞれの画像が持つ本来のクォリティがはっきり感じられると言われている。

2.4K視聴会(4Kと2K映像比較)

BS朝日が制作している4K番組の中から、食紀行、城、日本のうた、鉄道などの取材番組、 などを視聴した。
視聴に際しては、会場に2Kモニターと4Kモニターを並べ、それぞれに2K、4Kの同じ内容の映像を流して比較を行った。
4K映像は解像力や精細度、明暗の表現力においてその優位性を確認することが出来た。

試写素材の中では特に、

  • 食材のディティール、屋根瓦の質感、バンカーの砂目やグリーンの芝目
  • 黒塀の立体感、白い雪の微妙な諧調、室内と屋外の露出バランス

などの表現の豊かさが目を引いた。

3.4Kを行う放送事業者

4K放送を行う事業者は以下のとおり。(BSについて。CSは本稿では割愛する。)

<BS右旋>
(株)BS朝日BS朝日2018年12月1日 総合編成
(株)BSジャパンBSジャパン2018年12月1日 総合編成
(株)BS日本BS日テレ2019年12月1日 総合編成
日本放送協会NHK4K2018年12月1日 総合編成
(株)BS-TBSBS-TBS2018年12月1日 総合編成
(株)ビーエスフジBSフジ2018年12月1日 総合編成
<BS左旋>
SCサテライト放送ショップチャンネル2018年12月1日 ショッピング番組
(株)QVCサテライトQVC2018年12月1日 ショッピング番組
(株)東北新社メディアサービス 2018年12月1日 映画
(株)WOWOW 2020年12月1日 総合娯楽
日本放送協会NHK8K2018年12月1日 総合編成

4.4K放送を見るには

<BS右旋>は現在のBS放送衛星からの電波で、右回りの電波である。
<BS左旋>は昨年新たに打ち上げられた放送衛星からの電波で、左回りの電波である。
BS右旋グループの放送を見るためには、4Kモニターと4Kチューナーの準備が必要。
4Kモニターは現在家電店などで売られている「4K対応テレビ」のことである。
4Kモニターだけでは、4K放送を受信し見ることはできない。4Kチューナーが必要である。
4Kチューナーは2018年秋ごろから発売される。

BS左旋グループの放送を見るには、上述に加え、BS左旋用の新たなアンテナと、これに対応したアンテナケーブルが必要。一般住宅では天井裏や壁内の配線工事が必要になる場合もあり、視聴のためのハードルはやや高いと言える。

4K放送を見るには

5.BS各社の取り組み

4K放送開始に向け、4Kでの番組制作、スタジオの4K化等の取り組みを各社で進めている。BS朝日においては現在HD放送している番組で4K撮影・編集を取り入れるなど、4Kコンテンツ制作の取り組みを強化している。

6.4K制作フロー

4K番組の制作においては、扱う映像素材はすべてファイルの形となる。
4K映像素材では映像ファイルの大きさがHD映像素材に比べて膨大になるため、編集作業における素材の取り込みや完成ファイルの出力に、多くの時間が必要となる。

4K制作ワークフロー例

7.4KCMについて

原則として、「4K放送には4KCM」であるが、2K(現行)素材を搬入し、局側で4Kアップコンバートして放送する体制は用意されている。
4KCMの搬入については、現在ファイルベースメディアでの搬入が予定されている。
その他の搬入に関する詳細は、民放連と広告業協会により策定される「テレビCM 4K素材搬入基準」に規程される。

以上の講演を受け、各委員より活発な質疑、意見交換があり、予定時間を少々オーバーして、研究会を終了しました。
今後より順次、家電店にも「4Kチューナー」「4Kテレビ」が登場し始めるとのこと。画質の進化はもちろんのことですが、地上波、BSに加えてまたひとつ「テレビ」の枠が増えることとなる4KBS放送について、あらためて見渡すことのできた有意義な研究会であったかと思います。

文:勝田正仁(技術委員会委員長)