プランナーのみなさん。あなたのコンテ、絵ですか? 字ですか?
 最近、若いプランナーと打ち合わせをしていると字コンテで出してくる人がすごく増えてる。字コンテってその人の画力に関係せず、アイデアが同じレベルに並ぶからCDとしては公平に案の良し悪しをジャッジできる良さがある。しかも、読んだ方が勝手にイメージを広げてたりして、案外プランナーのイメージを超えていい方に解釈されることもある。パソコンに保存するのもラクちんだし、お互い忙しい時は打ち合わせを持たずに、メールでもらったりすることも。あーなんて便利なんだ。字コンテ。
 でもね、ちょっとさびしいわけです。右手中指にペンだこを抱える男としては。9ミリ2Bのペンシルでコリコリ描いては、伊右衛門の、ちょっと困ったときの眉の下がり具合が気に入らないと消しては描き直してる男としては。それで肩こりがすごくて鍼を打ってもらってる男としては。あ、なんかすごく絵がうまそうに書いてますが、故・藤井達朗さんの絵コンテなんか見ると僕のなんかぜんぜん無駄な線が多くてダメなわけです。
 でも、たまによく描けても、結局コンテマンに発注しちゃうからあんまり関係ない、というか、写真のような、CGのような美しいカラーコンテがプレゼンされて、僕の鉛筆コンテは発注コンテとして闇に葬られるだけなんだけどネ。
 そんな僕も絵コンテ描く気がしない時もあります。なんか今日は筆が乗らねー、みたいな。その時は「もののけ姫ができるまで」ビデオやエヴァンゲリオン絵コンテ全集を開くに限ります。実は、すべての動画の元になるのは(アニメに限らず!)、個人の手が白い紙にコリコリと擦り付けた鉛の線の集まりなんだ! と今さらながら思い出させてくれます。「なんて自分は怠け者なんだ。同じ映像を操る仕事なのに!」という気になることうけあいです。
 さあ、プランナーのみなさん。キーボードを叩くのをやめて、コピー用紙に2Bの9ミリを滑らせてみませんか?。


次回は演出家の八木敏幸さんの 『て』です。